城址とガラ紡の里山暮らし
愛知県豊田市松平。徳川家のルーツにあたる里山です。その里山に2014年から暮らしはじめた家族のどたばた。松平で祖父が営んできたガラ紡のあれこれ、松平のなかでも大給城址の季節の移ろいを紹介していきます。
【『いま、大学で何が起こっているのか』】
 高校卓球部同窓会の様子をブログでしばらく書いてきました。今回は番外編。

 参加者のひとりは日比嘉高さん。名古屋大学准教授で専門は近代文学です。SNSで四半世紀ぶりにつながりました。最近よく新聞に登場しています。

 というのも、『いま、大学で何が起こっているのか』(ひつじ書房)を出版したからです。

151107書籍

 現在、文科省が国立大の人文社会学系や教員養成系の学部を廃止しようとしています。その動きに危機感を覚えて、日比さんは反論の急先鋒にたっています。

 このテーマで全国を飛び回って忙しいようでしたが、3歳の息子さんと一緒に我が家に遊びにきてくれました。よきパパでした。

 私は直接大学にかかわる機会はありませんが、生協の労働組合つながりで大学生協のみなさんとかかわっています。大学生協の未来は、大学の姿勢とも大いに関わっています。「大学はどう向かおうとしているのか」を知りたくて、日比さんの本を読みました。

 日比さん自身も大学教育や高等教育については「アマチュア」と述べていますが、私は大学で起きている内容は全くコメントできるものがありません。書評なんてとても恐れ多いのですが、ちょっと本を紹介します。

 「はじめに」では、次のように述べられています。

  • 大学を語る言葉に企業経営に由来するらしき用語が溢れるようになった。
  • 私が主張したいのは、大学の創造性を本当に発揮させるために必要なのは、効率化や「選択と集中」などといった経営的観点などではない。大学で行われる研究が創造的であり、大学で行われる教育が豊かなものであるためには必要なのは、自由さと多様性である。
  • 大学は金儲けの知恵袋であってはならないし、職業訓練校であってはならない。ましてや国威発揚の道具でもない。大学は私たちの社会そのものを支え、先へ進め、そして次世代へ受け渡していく再生産のエンジンそのものだ。

 内容は、「大学改革」の問題点や、東京大学の軍事研究解禁騒動・産経新聞による広島大学での授業攻撃・「はだしのゲン」の閲覧制限の問題など、キャンバスでおきている事例を紹介しています。そして「学ぶ」意味を掘り下げています。

 特に、広島大学の事例は驚きました。「教室は狙われている」「教室を戦場にしてはいけない」という見出しにもドキッとしました。

 大学教育に身を置くものではありませんが、本を読んで大学をめぐって私が感じたことをいくつか書いておきます。

 ひとつは、大学が「企業経営」に傾斜している点について。

 大学が「国立大学法人」になって特に感じますが、大学内の購買は大手コンビニが参入しています。書籍も大手書店による運営をみかけるようになりました。さらに、大学生協の設置に後ろ向きであったり、生協運営を支える姿勢ではない大学もきかれるようになりました。

 大学生協はもともと学生や教職員による自発的に設立したもの。出資・利用・運営という協同組合の原則にもとづき、自分たちの生活やキャンパスライフを自分たちでよくするのが魅力であり、大学生協から「自治」「参加」「成長」を学ぶ学生も多いはずです。

 しかし、大学の「企業経営」への傾斜は、大学生協を軽視する動きにつながり、学生の成長の機会を貧しくさせると感じます。

 次に、キャリア教育の問題です。

 ブラック企業やブラックバイトが社会問題化しています。その背景のひとつに過度な大学のキャリア教育が指摘されています。

 大学側は「企業に役立つ」「就職に役立つ」プログラムには熱心でも、労働者の持つ基本的な権利や役割について学ぶ機会は乏しいようです。

 過度なキャリア教育は従順な学生を生み出し、本当に困っている場面で相談しアクションを起こす回路をみえなくさせると危惧します。労働組合による学生への労働者教育の必要性を感じます。

 最後に、戦争法のたたかいを通じて、SEALDsなどで学生が立ち上がりました。さらに各大学で「有志の会」がつくられて教職員が立ち上がりました。希望を感じます。

 ただ、戦争法廃止の集会に大学が場所を貸さないという動きもでています。「アベ政治の批判はタブー」という風潮が大学で起きていないか危惧します。

 私も生協の労働組合という立場で「世直し」をなりわいにしています。本のなかで「沈黙が最大の敵」と述べていますが、高校でダブルスも組んでいたなかまが、四半世紀たって「もの申す」動きでふたたびつながるのは不思議な縁です。

 今回の高校同窓会での収穫のひとつ。番外編で紹介しました。

 日比さん、それぞれの立場でともにがんばりましょうね。

[2015/11/07 06:23] | 本・映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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